3. 新規追加曲の全曲レビュー (2)

DOMINION / L.E.D.-G

L.E.D.-Gの近作のなかでも強力なビートを放ってきたハードコア.ガバっぽいところを聴かせる一方で,高速なシンセのリフも入れてくるあたりは,L.E.D.-Gの本気中の本気の音を感じる.

DROP / dj TAKA feat. Kanako Hoshino

dj TAKAの作る曲を2つに分けると,繊細な曲か武骨な曲に分けられると思う.DROPの場合は後者になるが,その上に星野奏子のリリックが切なく乗っかるという,変わった組み合わせの1曲.

Elisha / DJ YOSHITAKA

CN+BSSのショーケース的トラック.ビートが抜けるあたりをCNに割り当てる譜面は,確かにこういうフレーズがあったら押し続けたいな,という感じを見事に体現している.中盤のBSSでターンテーブルを回し続けるのは大変だが,一番盛り上がるフレーズまでおあずけにするあたりは,サントラで聴くと「やだ,いやらしい!」という感覚を見事に引き出している.

Empire State Glory / Dirty Androids

硬質なビートの裏で色々なメロディーが行き交うドラムンベース.SNOWとかFEEL ITに似たテイストのビートだが,暗い感じのまま突っ走らないメロディーの存在が曲全体を盛り上げる構造となっている.

eRAseRmOToRpHAntOM / L.E.D.-G VS GUHROOVY

ErAseRmoTor maXimUMは100%の力で100%の勢いを作っている感じだが,eRAseRmOToRpHAntOMは80%の力で120%を出している感じのするハードコア.前半の緩やかなパートから中盤の高速なパートに移っていくところがこの曲の肝で,BPMが変わる直前の緊張感がこの曲の最大の魅力であるように思う.高速になる中盤以降は,気を抜くと一気に置いていかれそうなところは,いわずもがな.

Evans, Evans -prototype- / DJ YOSHITAKA

prototypeだとトランスコアの雰囲気が若干あるが,オリジナルでは少々音数が増え厚みが増している.ただし,どちらもハードさには大差がないので,曲の土台自体はしっかりとできている感じはある.余談だが,RA以降でオリジナルとprototypeの分割はあるのだろうか?

EXUSIA / L.E.D.-G

強烈なビートを抑え,シンセ音をメインとしたハードコア.音的にはトランスコアに近いが,L.E.D.特有の音の強さはしっかりとあり,シンセの波に飲み込まれていく感じがする.

G59 / 怒れる金の獅子

クラシックと4つ打ちの融合を試みている一作.出だしの不快なピアノ音が金獅子らしいが,序盤と終盤のあまり気持ちよくない方の音は「嘆きの樹」を思わせる作りとなっている.中盤に突如現れる叩きつけるような音は,肉体的にも精神的にもいやな感じの残る不快さがあり,言いえもせぬ感情の揺さぶりを意図的に作り出しているようにも思える.

GALGALIM / L.E.D.

のっけからハイパーテクノが炸裂する1曲.90年代のジュリアナ系テクノにL.E.D.の押しの強いシンセが乗っかり,独特のハイパーテクノ感を出している.

GOLDEN CROSS / dj REMO-CON VS dj TAKA

テクノというよりは,どちらかというとハードダンスに近いと思う1曲.途中でビートが抜けシンセ音のみで展開するあたりは,トランス特有の展開にも思えてくる.

Hydrogen Blueback / MAD CHILD

抑揚に乏しい分,あえてゲームサイズではなくロングサイズで聴いてみたくなる1曲.ビートがミニマルでありながら,サンプリングボイスが乗っかることで独特の高揚感を出している.

IN THE NAME OF LOVE / Y&Co. feat. Erica

内側にこもるような感じのユーロビート.雰囲気は7th styleのREMEMBER MEの音がさらに内にこもるといった感じ.極端に明るくない分,これはこれで聴きやすいユーロビートになっているのではないかと思う.

Keep It -秋葉工房mix- / DJ Command feat. NAGISA

IN THE NAME OF LOVEとは逆に,外に発散する感じのユーロビート.Dazzlin' Darlin -秋葉工房mix-よりも勢いがあり,最上のイケイケ感を出している.

Last Burning / Dirty Androids

これこそエレクトロ中のエレクトロといえる1曲.派手なフレーズはないものの,じっくりと聴くにはもってこいのトラックとなっている.

THE LAST STRIKER / L.E.D.

DJ TROOPERSのエンディングだった1曲.基本的には同じメロディを繰り返す感じの曲だが,別の音を補うことで荒々しいグルーヴをかもし出している.

Light Shine / Ryu☆

エレクトロ風味が入ったダンスポップ.軽やかに進むメロディーがとても気持ちいい.

London Affairs Beckoned With Money Loved By Yellow Papers / Paddington Private Detective

イントロこそUKガラージっぽいものの,そこを過ぎると4つ打ちの中にD-crewらしい音が混じる不思議な感じの1曲.1曲の中で1つだけにはとどまらないジャンルの要素が織り込まれた曲となっている.

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