1. ゲームシステムについて (1)

本章では,SIRIUS本体やそれと連携するWebのあり方について考えていくことにします.

1.1 SIRIUSから実装された機能

これまでは細かな新機能の実装はあったものの,今作では譜面にまで手が加わる事となりました.個人的な印象としては,メジャーリリースと言っても過言ではない気がします.その主な新機能は次のとおりです.

今回は,2つのモードの追加と,鍵盤・ターンテーブル操作の追加がありました.ここ数作の機能追加と比べると,今回はマイナーなアップデートではなくメジャーアップデートとなっています.そのためか,ゲーム運用面において方向性をどうするかという所において,製作サイドの戸惑いを感じる部分が見受けられたような感じがします.

チャージノートやバックスピンスクラッチはEMPRESSまでとは違い,新たに鍵盤・ターンテーブルのアクションが加わりました.長押しや回転の継続が加わる一方,操作しやすい譜面とゲームバランスをどう取るかが今後の課題といえるかもしれません.サウンドトラックを聴くと,操作させたい音の意図がようやくわかるものの,譜面に起こしてプレイしたときの難易度に差が出てきているのではないかと思います.RAでもこれらの機能が継続されることが確定しているので,新曲において試行錯誤がしばらく続くものと思われます.

リーグモードの実装に関しては,リーグ全体規模がどれだけあるのかということと,段位認定との違いをどのように見出すか,という部分において今後の課題になるかと思います.麻雀格闘倶楽部のようにランキングが見えるわけではなく,参加人数が見えなかったことは,プレイヤーを霞の中に迷わせたのではないか,という気がします.

jubeatを絡めた曲の解禁は,bemaniブランドの他機種にも興味を持ってもらうことを意識した企画だったように思います.企画自体はよかったと思うのですが,曲を解禁させるのに中級レベルの曲をプレイするだけとしたのは,今後の課題点として挙げてもよいのではないかと思います.jubeatの楽しさを知ってもらうには何回かプレイしてもらい,操作感を楽しんでもらうのが必要だと考える筆者からすれば,もったいないかなあいう気がします.

いずれにせよ今回の新機能が次も残るか,残った場合はどういう方向性で行くのかを注視していく必要があると思います.

それ以外にもマイナーな変更がありました.主なものは次のとおりです.

これまで,プレイサイドごとにオプション設定のウィンドウがありましたが,今回は一つのウィンドウに統合しました.左右にウィンドウを分散させるのではなく中央に持っていくことで,プレイ人数によらず視線を1箇所に持っていくことで,利便性が上がったのではないかと思います.
今回のように,ユーザ側での回避が不可避なシステムが加わることはしばらくはないと思います.プレイスタイルがどう定着するか,手本となるようなプレイヤーのスタイルが登場するか,注視していく必要がありそうです.

1.2 難易度について

今作からCN・BSSの登場により,EMPRESSとの単純比較が難しくなりました.一応数値だけ見ると,全体的に難易度は上がり目という気がします.CN・BSSで難易度が上がったと思われる曲があり,難易度がやや上がったという感じがします.

一方で低難易度の譜面の追加は無く,むしろ削除傾向にあるような感じがします.その対策としてパーティーモードが実装されていますが,新規参入するプレイヤーがどれだけいたのか,というところが気になります.削除と復活を定期的に行っていくのか,現状のままでいくか,新曲を含めた新譜面の投入はあるのか,このあたりは注視しておく必要があるのかもしれません.

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